生きる地層
生きる地層
2022 年で資生堂は創業150 周年、資生堂パーラーは120 周年を迎えました。
資生堂の社名の由来である『易経』の一節「* 至哉坤元 万物資生」。
一つの節目となるこの年に改めてこの言葉の意味を考え、ウィンドウアートを表現しました。
モチーフとしたのは「地層」です。
地層とは大地が生きてきた時間そのものであり、私たちはその大地の徳に生かされています。その生命力を表現することで、見る人の心の根源的な部分を震わせるようなウィンドウにしたいと考えました。
* 大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる
2 か所の大窓には実際に大地から採取した巨大な地層を展示、1 日をかけゆっくりと回転しています。
途方もない長い年月を掛けて生み出された形状やテクスチャー、それが日々移り変わる光を受けながら動く様はまるで生きているように感じられます。
ウィンドウアートには実際に大地から剥ぎ取られた地層断面を使用しました。
どのように大地の生命力を表現するかを検証する中で辿り着いた「接状剥離」という造形保存技術です。
6 か所の小窓には東京銀座資生堂ビル10F のレストラン「FARO」のシェフパティシエである加藤峰子の作品「刻まれた香りの記憶」を展示しました。
地層には多様な生物、その生きてきた環境の痕跡まで残されています。
その一層一層に刻まれた香りやその風景を想像し表現しました。