国際的なデザイン賞「iF デザインアワード」2023に当社5作品が入賞

2023. 05. 26 AWARD

 資生堂クリエイティブ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 尚美)は、このたびiFデザインアワード2023にて、当社が手掛けた5作品が入賞したことをお知らせいたします。

 「iFデザインアワード」は、ドイツのiF International Forum Designが主催している世界で最も権威のあるデザイン賞の1つです。2023年度は、56ヵ国から 約11,000件の応募があり、資生堂クリエイティブはプロダクトから「WASO」1作品、空間デザインおよびウィンドウデザインから「SHISEIDO BEAUTY SITE」「GINZA ECOLOGICAL MAP」「Wishing for a fruitful spring」「Shiseido Parlour’s SWEET」の4作品が入賞いたしました。

■作品一覧

1. WASO
 自然のたくましさとみずみずしさに着目し、日本の食材を成分に生かした環境にやさしいスキンケアブランド「WASO」の、一目で直感的にブランドの姿勢がわかるパッケージデザイン。

2. SHISEIDO BEAUTY SITE
 The Journey to Beauty(美の旅)をコンセプトに、スキンケアを想起するような透明感ある施設を、旅するような気持ちで体験できる、一つの街のようにデザインされた工場併設の見学コース。

3. GINZA ECOLOGICAL MAP
 コロナ禍で人影が消えた銀座の再生のためディスプレイの灯りを繋ぐ、という思いから企画された、銀座の生態を様々な視点から可視化したプロジェクト。

4. Wishing for a fruitful spring
 資生堂パーラーでの秋冬シーズンに使われている果実とクリスマスツリーの起源を重ね合せ、銀座の街から世界の実り多き春を願うツリーを表現したウィンドウディスプレイ。

5. Shiseido Parlour’s SWEET
 資生堂パーラーの洋菓子の愛らしさを感じるように、命を宿したかのような動きを見せる洋菓子や、洋菓子と銀座の街とのリアルタイムなコミュニケーションをデザインしたウィンドウディスプレイ。

WASO

WASOは日本の食材を成分に使用した、若年層向けの環境にやさしいプロダクトです。
パッケージのプラスチック使用量を減らすために、キャップには籾殻を採用し、ジャーには再生プラスチックを95%使用。素材由来のくすんだ色をそのまま生かしたデザインにしました。プロダクトのキャップの窪みは、若年層の限られたスキンケアスペースを有効に活用できるよう商品同士でスタッキングできるようになっています。

<Designer 長竹による受賞コメント>
海外のZ世代のお客様に共感していただけるよう、直感的にブランドの姿勢がわかる佇まいを目指しました。初採用の素材や再生素材を使うことで制約も多くチャレンジングなプロジェクトでしたが、素材由来のテクスチャや色を生かすことで、日本で育てられた食材の背景にある大地や自然のストーリーを感じさせるデザインになりました。新しいプレステージブランドのあり方を模索することができたと思います。

【クレジット】
Creative Director:駒井麻郎(MA·DO Inc.)
Art Director:村岡明(MA·DO Inc.)
Designer:長竹美咲
iFデザインアワード2023 受賞ページ
WASO

SHISEIDO BEAUTY SITE

The Journey to Beauty(美の旅)をコンセプトに、ひとつの街のように仕上げられた、資生堂大阪茨木工場に併設された見学コースです。ミュージアム、ラボ、マルシェなどさまざまなモチーフでデザインされた各エリアをめぐりながら、まるで旅をするように、ビューティーの秘密を楽しく学び、スキンケアのさまざまな世界や肌と向き合う新しい発見や驚きに出会っていただく、そんな体験デザインができる空間をめざしました。

<Art Director 上村による受賞コメント>
お客さまに資生堂の真摯なものづくりを工場から直接お伝えすることに加えて、見学施設のコンテンツを通して、化粧品の知識を身につけていただきたいと思い構築してきた体験デザインが評価されたことを大変光栄に思います。
スキンケアを想起するような透明感ある施設のなかを、旅するような楽しい気持ちで体験をして欲しいと願い、一つの街のようにデザインしました。

【クレジット】
Executive Creative Director:鐘ヶ江 哲郎(株式会社資生堂)
Art Director:上村 玲奈
Designer:原田 圭(DO.DO.)
iFデザインアワード2023受賞ページ
SHISEIDO BEAUTY SITE

GINZA ECOLOGICAL MAP

今回受賞に至った「銀座生態図」は、創業地である銀座の生態を様々な視点から可視化するプロジェクトとして、2021年3月に開始しました。資生堂が見続けてきた銀座という街で、身近な生態の循環に目を向けることで未来へのヒントを見つけ、フィールドワークで観察、発見し、未来への種を掘り起こしました。そして、ウィンドウアートを通じて世代を超えた交流を生み出し、これからの銀座の可能性を問いかけました。なお、「銀座生態図」は今回の受賞以外にも、多数の賞を獲得しています。

【同作品の受賞歴一覧】
FRAME Awards 2022:ウィンドウカテゴリー年間最優秀賞
日本空間デザイン賞 2022:ショーウィンドウ&ビジュアルデザイン空間部門銀賞
D&AD Awards 2022:Spatial DesignカテゴリーのCreative Use of Budget部門/Exhibitions部門でWood Pencil

<Art Director/Designer 堀による受賞コメント>
コロナ禍は銀座からも人影が消えてしまいましたが、ディスプレイの灯りを繋ぐことが街の再生に欠かせないという思いで、「銀座生態図」を企画しました。創業地である銀座を生態という視点で、年間を通してフィールドワークを行い、普段目を向けないと気づかない人や自然の営み、循環、そして過去から継承されつづけている場の記憶を標本として展示しました。銀座の商店、中央区、通り会など様々な方々との対話から実現できたプロジェクトであり、新たなウィンドウアートの可能性を探究することができました。

【クレジット】
Executive Creative Director:信藤洋二
Art Director/Designer:堀景祐
共創パートナー/施工:株式会社博展
iFデザインアワード2023受賞ページ
GINZA ECOLOGICAL MAP

Wishing for a fruitful spring

クリスマスツリーとオーナメントの起源は、冬に葉を落とした木にフルーツを飾る習慣から生まれ、それは“実り多き春” を願うことによって始まりました。資生堂パーラーでの秋冬シーズンに使われている果実とクリスマスツリーの起源を重ね合せ、銀座の街から世界の実り多き春を願うツリーを表現しました。
デザイン構成は、フルーツカットからインスピレーションを得て5つの形に切り出したジオメトリー。幹は再生可能な発泡スチロール。“実” は使い古された青森のりんご箱を再利用しています。プラスチックコンテナに入れられることの多い農作物ですが、りんご箱は天然木ならではの調湿作用や当たりの柔らかさがりんごに良い作用を及ぼします。環境にも優しいため、現在も使い続けられている文化が残っています。青森に足を運ぶと、街中でりんご箱を様々な用途で再活用している光景に出会いました。地域に根付く素材、使い手によって用途が変わる面白さを感じ、ウィンドウディスプレイで素材の再利用を試みました。

<Art Director小林による受賞コメント>
銀座のクリスマスシーズンはどこのブランドも輝かしくキラキラと華やかなウィンドウが並びます。その中で使い古され、廃棄される素材に光を当てクリスマスらしさを表現することは一つの挑戦で思考を凝らしました。化粧品だけではなく資生堂の美しい生活文化を発信している一つである、パーラーのウィンドディスプレイとして受賞できたことを大変嬉しく思います。

【クレジット】
Executive Creative Director:信藤洋二
Art Director:小林恵理子
iFデザインアワード2023受賞ページ

Shiseido Parlour’s SWEET

タイトルの"SWEET"は洋菓子という意味に加え、愛らしさという意味合いも含んでいます。このウィンドウディスプレイを見て頂いた方々が洋菓子に対して感情移入し、愛情のようなものを持って頂きたいと考えデザインを行いました。四角い小窓の中には、美味しそうな洋菓子達が、まるで命を宿したように小窓の中で様々な動きをしています。エレガントな花椿ビスケット、コロコロとした金平糖、プルプルのプディングなど、それぞれの味や質感をイメージして動きを演出しました。背の高い大窓には資生堂パーラー銀座本店ショップ限定商品を中心に様々なパッケージを華やかにディスプレイしています。各モニターには小窓に設置したカメラの映像をリアルタイムに投影しており、銀座の街と洋菓子がコミュニケーションする様子を映し出しました。

<Art Director金内による受賞コメント>
タイトルの"SWEET"は洋菓子という意味に加え、愛らしさという意味合いも含んでいます。このウィンドウディスプレイを見て頂いた方々が洋菓子に対して感情移入し、愛情のようなものを持って頂きたいと考えデザインを行いました。ウィンドウのデザインだけでなく、パッケージや洋菓子の魅力が伝わったからこその受賞だと考えています。

【クレジット】
Creative Director:信藤洋二
Art Director:金内幸裕
共創パートナー/施工:株式会社博展
iFデザインアワード2023 受賞ページ